月報司法書士 2001年11月号 [Legal Support News]より

意思能力調査委員会準備室について

           社団法人 成年後見人センター・リーガルサポート
 現在、リーガルサポート本部は、意思能力調査委員会準備室を設置している。
その活動は、当社団の定款第41条に定められている当該委員会の事務のうち、
「意思能力判定についての調査及び研究」を中核とするものである。当面、以下
の活動を行うこととしている。
1.現状における成年後見実務における意思能力判定の実態把握
 新しい成年後見制度創設の際に一つの論点であった民事鑑定実務のあり方は、
現状どのような実態を有しているのであろうか。鑑定費用及び鑑定に要する時間
の問題もさることながら、新たな類型としての「補助」に関する判定は実践され
ているのか、医学的見地からの鑑定を踏まえての裁判所の判断(裁量)領域は拡
大しているのか等、現状を把握することは重要である。成年後見実務に携わって
いる司法書士の情報提供をお願いしたい。
2.上記の分析を踏まえて、わが国における、いわゆるソーシャルレポートの実験
的作成
 医学的見地からの判定のみだけではなく、社会学的見地を加えての判定実務の
必要性は、わが国において再認識されるべきではないか。準備室は、いわゆるソ
ーシャルレポート(いわば、生活面の鑑定書)の実験的作成から実務上の活用の
方途を探ろうとしている。
3.意思能力判定分野における諸外国の実践例の研究
 カナダのケベック州における三段階の能力判定(わが国の三類型導入に重要な
参考となった)における裁判所の総合的判断の内容、同国オンタリオ州における
医療従事者以外の判定者(assessor)の存在や能力判定事務所の役割、アメリカ
のコロラド州における裁判所の能力判定を助ける調査機関たる訓練されたボラン
ティアの存在、ドイツにおける裁判所に提出されるソーシャルレポートの重要性
等々、諸外国の意思能力判定分野における実践例は、必ずわが国に大きな示唆を
与えるものである。
 野瀬室長をはじめとする室員の活躍に期待していただきたい。
                      (副理事長 齋木賢二)