月報司法書士 2002年10月号 [Legal Support News]より

リーガルサポートと公益法人改革

社団法人 成年後見センター・リーガルサポート
理事長 大貫 正男

1.動き出した公益法人制度改革
 今年の3月に「公益法人制度の抜本的改革に向けた取り組みについて」が閣議決定され、公益法人制度改革が急速に動き出した。
 公益法人改革は、特殊法人改革や公務員制度改革と並ぶ行政改革の柱である。今後、国は、公益法人について関連制度を含めた抜本的かつ体系的見直しを行うこと、平成14年度中を目途に「公益法人制度等改革大綱(仮称)」を策定し、改革の基本的枠組み、スケジュール等を明らかにするとともに、平成17年度末までを目途にこれを実施するための法制度上の措置その他必要な措置を講ずることにしている。
 そして、「公益法人制度等改革大綱(仮称)」の中間整理というべき「公益法人制度の抜本的改革に向けて(論点整理)」が8月2日に公表された。

2.公益法人改革の方向
 公益法人制度については、従前より、民業圧迫や天下り等の批判のほか、主務官庁の許可主義の弊害、事前規制システムの限界、などのいわば制度疲労を訴える声があった。
 この間、民法上の公益法人制度以外にも、非営利法人制度である中間法人法、NPO法の制定がなされてきたが、こうした関連制度も含めて公益法人制度の抜本的かつ体系的な見直しが、今、再構築されようとしているのである。
 当然、民法34条以下の法人規定の見直しは視野に入っているし、NPO法や中間法人法も発展的に解消される可能性もある。
 この新しい公益法人制度改革の方向性としては、法人類型について二とおりの改革パターンが現在、想定されている。第一の改革パターンは、公益法人と中間法人という類型を「非営利法人(仮称)」という一つの類型にまとめるというものである。第二の改革パターンは、非営利法人を二類型に分け、公益性を有するものは「非営利・公益法人(仮称)」として類型し、非営利非公益の法人(現行の中間法人)は新制度においても「中間法人(仮称)」として類型するものである。
 そして、法人格取得に際しては、準則主義ないし主務官庁の弊害を排除したうえで認証主義によることとされている。また、財団法人制度についても非営利法人類型として残すのか、公益信託制度を改革してその中に取り込むか等が検討されている。
 いずれにしても、公益法人にかかる大きな改革のうねりがすぐそこまできていることは間違いないようである。
 これからの公益法人は、行政からの関与が少なくなっていく結果、従前にも増してより一層の透明性と説明責任が要求されるとの認識が必要であり、情報開示を行い、受益者である国民の評価を受けていかなければならない。
 また、今回は民法上の公益法人等の制度改革が主となっているが、今後は特別法にもとづく公益法人の制度改革にも多大な影響を与えるものと考える。

3.リーガルサポートの今後
 リーガルサポートとしても、従前にも増して、こうした社会的責任を充分に意識して運営していく必要がある。
 特に、ディスクロージャー(情報公開)の推進とアカウンタビリティー(説明責任)の充実、ガバナンス(統治)の充実が重要である。
 国や行政の関与が軽減される結果、代わって関与者となるのが社会(一般市民・受益者)であり、一般市民が監視システムに参加できるようにするため、情報公開は今まで以上に確保される必要がある。今後は、社会が第一の関与者となった場合、一体国はどのような役割を果たすのか、一般の市民にどのような権利を賦与するのか等が問題となろう。
 また、行政による指導監督から法人による自主・自律の運営を志向するならば、理事会の一層の充実、そしてガバナンス(統治)の明確化は大きな課題となるとともに、理事・監事の役割と責任はより大きくなることから、その意識改革も重要である。一方で、税制上の課題にも積極的に取り組んでいく必要があるだろう。
 いずれにせよ、新しい時代における公益法人として、市民社会で充分に役割を果たせるようリーガルサポートもまた進化していくことが求められている。