月報司法書士 2003年09月号 [Legal Support News]より

司法へのアクセス・ポイントとしての役割

社団法人 成年後見センター・リーガルサポート
広報委員会委員長  木村 一美

 リーガルサポートがこれまで実践してきた「職業後見人」としての活動は、その一つひとつが社会的貢献度の高い事業として各方面から注目されています。中でも、今年で4回目を数える「全国一斉無料成年後見相談」は、9月15日からの敬老の日・老人保健福祉週間(〜21日、中央社会福祉協議会が提唱)に合わせ、全国50支部において、地域の実情に即した形式で実施されているもので、高齢者、障害者等を支える専門家同士の理解を深め、実効性のある協力体制が整えられるようになるなど、その効果は徐々に浸透し、成年後見制度の利用促進を図るためには欠かすことのできない事業の一つとなっています。
 寄せられる相談には、様々な問題が潜在しています。親亡きあとの問題や財産の争い・侵害、介護問題、悪徳商法などの消費者トラブル、死後の事務など、広範囲にわたる問題が重複していることが少なくありません。そのうえ、高齢者や障害者等の方々の中には、自分の守られるべき当然の権利について理解している人はそう多くはおりませんし、また、支える側の親族や福祉、施設などの関係者の中には、知らず知らず権利侵害をしているという例も珍しくありません。これまでこのような問題は、法的なレールに乗せられることなく、家庭や病院、施設などにおいて処理されてきたわけですが、私たちリーガルサポートが、成年後見制度の担い手として、高齢者や障害者、その親族の方々と深く関わるようになった結果、表面化しなかった法的問題が抽出され、解決に向けた方策が実現されるようになったのです。
 リーガルサポートは、介護契約や施設入所の際には、高齢者等の代弁者として権利を主張し、家庭裁判所の審判により選ばれた親族後見人等に対しては、後見人としての倫理や仕事内容について習得を促すアドバイザーとして関わり、さらには、親族や法律、福祉、医療、施設、行政などの関係者との連携を図り、高齢者、障害者等の生活を安全で快適なものにするコーディネーターとして、地域社会において、より身近で頼りになる相談相手と位置づけられつつあります。
 今回の司法制度改革の中で、法的紛争を抱える市民が気軽に相談できる窓口の設置と、法的サービス提供者の整備を進める必要性についてその見解が示されていますが、リーガルサポートは、今まさに市民と司法を結ぶアクセス・ポイントになっていることを日々の活動を通じ実感しております。
 日常的に行われている電話相談や面談、あるいは、福祉関係者や親族を対象とした出前講座、市民を対象とした講演会や専門家を対象にしたシンポジウム、そして、親族後見人や職業後見人を対象とした成年後見人養成講座など、このような地道な活動と質の高い法的サービスが市民の側からはもちろん、各方面からも高く評価されているのです。
 特に、最高裁・東京家裁からは、「成年後見人養成講座」を親族後見人等の教育に活用してみたいとの意向が示され、それを受けテキストの作成を進めているところです。また、法人後見監督の分野においては、家庭裁判所が従来行ってきた監督業務をリーガルサポートに担わせるという新しい後見監督システムが構築されようとしています。これらは、家庭裁判所がリーガルサポートを、専門職による安定した法的サービスを提供する資源として評価しているからにほかなりません。今後も、アクセス・ポイントとしての役割を充分に自覚し、積極的な活動を心がけていきたいと考えております。


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『成年後見物語』
《A4判/オールカラー/100円》
 この度、成年後見センター・リーガルサポートでは、成年後見人の具体的な業務についてわかりやすく解説した小冊子『成年後見物語』を作成しました。ぜひご利用ください。

●申込み方法
 司法書士会会員は、都道府県ごとのリーガルサポート支部を通じてお申込みください。
 司法書士以外の方は、請求用封筒に下記の(1)(2)(3)を同封のうえ、現金書留にて下記の宛先までお申込みください。

●申込先
〒160−0003東京都新宿区本塩町9−3 司法書士会館4階
(社)成年後見センター・リーガルサポート「成年後見物語」係

●申込みの際同封するもの
 (1)必要事項(希望冊数、住所、氏名、電話)を明記したメモ、(2)小冊子代金、(3)返信用封筒(角型2号:24×33.2cm)に住所氏名を記入し、返信用切手を貼付したもの(1冊購入の場合140円、(注)冊数により金額相違、複数冊申込む場合は事務局までお問合せください(TEL03−3359−0541))。