月報司法書士 2004年02月号 [Legal Support News]より

NHKビデオを使った出前教室の取り組み

社団法人 成年後見センター・リーガルサポート
岡山県支部支部長 橋本 尚美

 リーガルサポート岡山県支部による、NHK厚生文化事業団の福祉ビデオシリーズ「成年後見制度」(以下、「NHKビデオ」という)を利用した出前教室の取り組みについて報告します。

 岡山県司法書士会では、広報活動として、平成10年度より市民対象の出前教室を行ってきました。これは、司法書士が講師として公民館などへ出向き無料で講演を行うというもので、これまで事務所での執務が中心だった司法書士が、市民の前に「顔が見える」司法書士として登場し、より身近に感じてもらえるようになりました。公民館での高齢者対象の講座は、「相続」「遺言」「悪質商法」「身近な法律知識」などをテーマに好評を得てきました。

 平成12年の成年後見制度のスタートと同時に、出前教室のテーマに「成年後見」を追加し、その講師をリーガルサポート岡山県支部の会員が担ってきました。しかし、最初の2年間は、具体的な事例がない中で「成年後見」という言葉を聞くことすら初めての方に対し抽象的な話をしてもなかなか理解してもらえず苦労しました。そこで、リーガルサポートのパンフレットを使ったり、『実践成年後見』(民事法研究会刊)等の中から事例をとりだすなどの工夫をしました。3年目くらいから、在宅介護支援センター、社会福祉協議会、知的障害者の家族会などからも依頼が来るようになると、単に制度を「知ってもらう」ことから、「どうやって利用するか」「後見人はどのような仕事をするか」という問題に話を持っていかなければならない段階に発展してきたことに気付きました。しかし、制度の複雑さから、話だけではなかなか理解してもらえず、会員は説明に苦労しました。
 そのような折、NHKビデオ4巻が各支部に配布されてからは、出前教室にとても役に立っています。それは、「再現ドラマ」ではなく実際に進行している「生の現場」をそのまま追っていて分かりやすいからです。リーガルサポートもビデオ制作に協力したそうですが「ともかく利用して欲しい」という意気込みが伝わってきました。
 具体的な方法は、はじめにビデオを見てもらい、それから制度の仕組みを解説することにしています。すると講師は話をしやすいし、聞いている人も理解しやすいようで、今後も出前教室ではどんどん利用しようと思います。

 これまでのNHKビデオの実際の利用方法を紹介します。
会員研修
 まず会員の中でビデオを見て、どのように利用できるかを検討しました。

社会福祉協議会の会員研修での利用
 1週間前に担当者にNHKビデオ4巻をお渡しして検討してもらい、1巻目「入門・成年後見制度」を使って講義をしました。


出前教室での利用 ―知的障害者の家族会対象―
 「親亡き後問題」を講演するのに2巻目「任意後見」を使いました。知的障害者の子を持つ親には、「任意後見制度」がより身近に感じられたと思います。

 
授産施設での利用 ―知的障害者授産施設の園長、理事、職員、家族対象―

  1巻目「入門・成年後見制度」2巻目「任意後見」を使用しました。講師としては話しやすかったし、聞く方はわかりやすかったので、ビデオを話題にした質問が多く出るようになりました。

 今後は、障害の程度が軽度の方でも利用できるようになった「補助」の活用法の紹介にも力を入れたいと思います。

 この出前教室とともに、岡山県司法書士会では、毎年10月1日の法の日にあたり市民法律講座を開催しています。平成12年には、リーガルサポートが中心になり「成年後見」をテーマに講演・クイズ・相談会を行いました。平成13年には「任意後見」をテーマに寸劇・講演・相談会を、平成14年には、知的障害者家族の会を交えて「親亡き後問題」も取り上げ、シンポジウム形式で行うなど工夫をこらして開催しました。

 その結果、高齢者施設、知的障害者施設、社会福祉協議会などからの講演依頼、相談も多数寄せられるようになり、出前教室を通じての広報活動が、成年後見業務の実践へと進展してきています。


■〜NHKビデオについて〜

平成15年6月から、NHK厚生文化事業団は「成年後見」に関するビデオの貸し出しを開始しています。リーガルサポートの各支部にも配布されておりますので、ぜひ活用してください。内容は下記のとおりです。 

第1巻「入門・成年後見制度」 第2巻「任意後見」
第3巻「補助・保佐」  第4巻「成年後見」(各巻30分)

詳細は本誌2003年6月号「Legal Support News」をご参照ください。
《ビデオのお問合せ先》NHK厚生文化事業団「福祉ビデオライブラリー係」
TEL 03-3481-7855